2021年度 研究大会

・日時:2021年3月29日(火) 9:00~12:10
・会場:オンラインによる実施
・講演:早稲田大学 理工学術院 創造理工学部 経営システム工学科  計画数理学研究 蓮池 隆様
・題目『データ科学の研究者・教育者視点で読み解く新情報科の「データサイエンス」』

(ⅰ)開会挨拶
研究会会長
東京都立田園調布高等学校 福原利信
最初に本研究会の福原会長より挨拶がありました。まず、情報Ⅰの入試が始まることを述べました。ついで、東京都での採用のあり方について、課題があるとしました。さらに、都立高校では保護者負担を少なくして、一人1台のPCが配られましたことなどを触れ、情報科が取り巻く環境が大きく変化していると述べました。

東京都教育委員会挨拶 江川 徹 主任指導主事

(ⅱ)講演
『データ科学の研究者・教育者視点で読み解く新情報科の「データサイエンス」』
早稲田大学教授 蓮池 隆 先生
データ処理・分析の観点から、データの処理は誰でもできる時代になったと述べておられました。そして、どんなデータ処理が行われているのか、データ処理の結果から何が言えるのか、これが高校生に学んでほしいポイントであるとおっしゃっていました。
さらに、とにかくデータを取らないと始まらないので、日常の「なぜ?」「どうして?」がデータ分析のきっかけになる、と強調されていました。

(ⅲ)研究発表①
・「生徒一人1台端末による対話の見える化の実践と主体的に学習に取り組む態度に着目した評価—高等学校共通教科情報科に着目して—」
東京都立青梅総合高等学校 遠藤健一先生
対面授業はやはり良いものであるからこそ、他の授業形式でもより良い授業デザインとなるようにすると述べていました。
また、オンライン授業であっても対面授業と同じような効果があるような授業にすることを検討することがとても興味深いものでした。

・「情報Ⅰ型授業を3年間やってみた -実践報告と情報Ⅰに向けて-」
東京都立立川高等学校 佐藤義弘先生
都高情研「ミニマムプラン」準拠してカリキュラムを検討したことを述べていました。そして、問題解決が情報の学習においては軸になるとし、また、学習の順序は学習指導要領順が良いと強調していました。
さらに、授業の進行を正確に行うこと、これが大切であり、振り返りがそれによって、正しくやることができると述べていました。

(ⅳ)ポスターセッション&企業関係の皆様からの情報提供

(ⅴ)研究発表②
・「情報Ⅰを見据えたプログラミング教育~学習者の独自設計を可能にさせたミニチュア配膳ロボットのプログラミング教材の開発と実践と評価~」
佼成学園中学校高等学校 岡野英樹先生
プログラミングのスキル差の吸収をするために3つのレベルを作っているとし、
まっすぐ走らせる、ライントレースする・・・といった目標を小さく設定していくことにより、子どもたちのモチベーションが上がっていくことを強調されていた。さらに、目標に準拠した評価をしていったことを述べ、さらに、カスタマイズ編も挑戦させた。
評価では、ルーブリック評価をされていました。

・「情報Ⅰ大学入試検討委員会の報告」と「情報Ⅰを見据えた授業の実践報告」
東京都立神代高等学校 稲垣俊介先生
「情報Ⅰ大学入試検討委員会の報告」では、指導に使える良問を集めて全国に発信するために発足したものです。全国の情報の先生のための活動としています。情報入試を見据えた授業では、インターネットの利用時間を生徒に入力させ、データ分析の実践とプレゼンテーションを行っておりました。実践からお伝えしたいことでは、情報モラル教育は情報科らしく科学的に、生徒にとって自分事の内容で情報入試の対策をするとよいのでは、と述べていました。

(ⅵ)閉会挨拶 研究会副会長
東京都立東大和高等学校 飯田 秀延




第03回教科「情報」情報交換会 昭和高校


  • 日時:2021年12月2日(木) 15:00~16:00
  • テーマ:どう準備する?~今年度末まで編~
  • コーディネーター:東京都立昭和高等学校 今井大介
  • 内容:観点別評価など、今年度末までに準備しておくべきことなどの情報交換をしたいと思います。
【交換会概要】
来年度の教科「情報」
情報Ⅰと社会と情報・情報の科学を同時並行で行う場合のもち方などについて
〇入学前(春休み)の課題をだすかどうか。
〇選択科目(入試関係)
・3年に「情報Ⅱ」を設置したばあい、受験対策は、講習(夏期や土曜)で実施するのはどうか。
講習は他教科の関係もあるので、「情報Ⅱ」の内容に「情報Ⅰ演習」のようなものを加えてはどうか。国立希望の多い学校では、講師対応の必要が出てくるのでは。
・ベネッセが、進研模試(高校2年生対象)をやる予定らしい。
〇観点別評価
・具体的にどのように実施するかは、すでに行っている中高一貫校などから情報を集める。

授業公開・研究協議会

以下のとおり,授業公開・研究協議を行いました。
皆様の御参加・御協力ありがとうございました。

日時:2021年10月22日(金) 14:00~16:30
場所:東京都立町田高等学校 PC室
内容:情報通信ネットワークを用いた問題解決

アンケート結果授業風景


町田高校では、「情報通信ネットワークを用いた問題解決」として、アンケート調査とそのデータ処理を活用した全8時間の情報モラル向上プロジェクト学習が行われており、今回は、第2回目の授業として、データを収集する際に気をつけることなどを、実際に生徒自身がアンケートに回答することを通して学習していきました。
生徒は、自ら回答したアンケート結果がどのようなことに結び付いていくのか、ということを実体験として学習するとともに、自らの計画や設問・形式等を考えておりました。

第02回教科「情報」情報交換会 昭和高校


  • 日時:2021年10月19日(火) 15:15~16:15
  • テーマ:どう活用する?1人一台端末 情報科編
  • コーディネーター:東京都立昭和高等学校 今井大介
  • 内容:一部の都立高校や私立高校では、すでに1人一台端末が導入されていますが、ほとんどの高校が来年度導入されると思います。1人一台端末を、情報科の授業でどのような活用方法があるかについて情報交換をしました。
【交換会概要】
〇どうやって使う?(企業・大学系研修会「iPadでできる情報教育」より一部参照)
・「先生」として 欠席時の対応や自宅学習用として活用できる。
・「教科書」「資料集」として 完全に置き換えることは、現状ではまだ早いのでは。
・「ドリル」「問題集」「ノート」「プリント」として 代わりになりうるのでは。
・「自宅学習」として 情報リテラシー(タイピング等)については活用が期待できる。課題作成や提出で利用。
・授業でのグループワーク
・コンピュータ教室・スマホ・スマスクの連携が可能で、共同作業も行える。(o365など)
・教室での活用では、中間モニタの代わりになりうるのでは。

〇教科「情報」以外の活用方法・その他
・体育館での一斉利用(学年集会など) 操作説明・一斉提示・アンケートなど 回線が持つかは不明
・リテラシー部分を自宅で学習(体育館で一斉にもあり)
・総合的な活動・探求での活用が期待される
・席を指定しない(自由席)で、活用できる
・研修などでも利用できる

〇大学からの情報提供
・「高校時代までに自宅でPCを使った勉強をした学生が少ない。」が海外の教育事情とは大きく異なる。
・PCをノートとして利用は3割ほど タイピングよりも手書きが早い(タイピングが追い付かない)
学校と自宅で「PCの普段使い」をすることが、日本の情報教育に欠かせない要素となる。
高校までにタッチタイピングのスキルを身に付けることを検討する時期
・「ipadは、PCではなくiPhone(彼らにとってはスマフォ)という認識であり、PCはまとまった成果物(課題など)を仕上げる道具としてとらえている傾向がある

第2回 企業・大学系研究協議会

iPadでできる情報教育

以下のとおり,iPadでの情報教育についての研究協議を行いました。

日時:2021年10月18日(月) 15:30~16:45
場所:オンライン(Zoomで実施)
内容:「iPadでできる情報教育」

当日のスライド

都立町田高校にて平成30年度より実施されている、iPad一人1台を用いた教育内容について簡単に紹介がありました。活用に至るまでの状況や、実際の活用の様子の写真や動画の紹介、タブレットやペンシルを活用している様子などについても報告がありました。また、プログラミング等も含め、どのような情報教育が可能になるのかについても情報提供があり、充実した研修会となりました。

第1回 企業・大学系研究協議会(共催)

情報処理学会で情報教育を学ぼう 2021

以下のとおり,大学系研修会が情報処理学会の全面的な御協力の下に開催されました。最新の動向や技術も含め,4日間に渡る充実した研修会となりました。
特に2日目以降では,別室で質問対応や議論も行うなど,活発な意見交換・情報交換も行われました。

日時:2021年8月12日(木)~8月15日(日) 毎日 9:30~15:30
場所:オンライン(Zoomで実施)
主催:情報処理学会会員の力を社会につなげる研究グループ
共催:東京都高等学校情報教育研究会

内容と講師:

[2021/08/12 木]
高等学校「情報」、中学校「技術・家庭」での授業実施に役立つように、メディア・リテラシー、ICT活用の海外事例、情報と職業(キャリア)、学校ICT活用(GIGAスクール)、アクティブ・ラーニングを取り上げる。

0930-1040 海外事情:上松 恵理子 先生(武蔵野学院大学)
1040-1120 メディアリテラシー:斎藤 俊則 先生(星槎大学)
1120-1200 アクティブラーニング:須藤 祥代 先生(千代田区立九段中等教育学校)
1300-1340 中学校のGIGAスクール:村松 浩幸 先生(信州大学)
1340-1420 高校のGIGAスクール:野部 緑 先生(大阪府立門真西高等学校)
1420-1500 学校ICT:平田 義隆 先生(京都女子中学校・高等学校)
1500-1530 ジェンダー、キャリア:高橋 尚子 先生(國學院大學)

[2021/08/13 金]
高等学校「情報」、中学校「技術・家庭」等における情報教育の目標や、その具体的な内容のうち、特に、教育行政の動向、PCリテラシーの教育、情報デザイン、小学校・中学校・高等学校の新学習指導要領と情報教育、情報セキュリティと情報倫理を取り上げる。

0930-1030 小学校(GIGA,プログラミング教育)と、中学校「技術・家庭」の学習指導要領における情報教育:井戸坂 幸男先生(三重県多気郡大台町立宮川小学校)
1030-1130 情報デザイン:白井 詩沙香先生(大阪大学)
1130-1230 情報セキュリティと情報倫理:辰己 丈夫先生(放送大学)
1330-1430 高校「情報」の学習指導要領:中野 由章先生(工学院大学附属中学校・高等学校)
1430-1530 情報教育を巡る動向:和田 勉先生(長野大学)

[2021/08/14 土]
高等学校「情報」、中学校「技術・家庭」等における情報教育の目標や、その具体的な内容のうち、特に、データベースマネジメントシステム、データベース、データの分析、プログラミング入門、ピクトグラムを利用したプログラミング、大学入試と情報を取り上げる。

0930-1030 プログラミング入門、大学入試と情報:和田 勉先生(長野大学)
1030-1130 ピクトグラミング:伊藤 一成先生(青山学院大学)
1130-1230 DNCL2:中村 亮太先生(京都産業大学)
1330-1430 sAccess:大村 基将先生(大阪電気通信大学)
1430-1530 データの分析:春日井 優先生(埼玉県立川越南高等学校)

[2021/08/15 日]
高等学校「情報」、中学校「技術・家庭」等における情報教育の目標や、その具体的な内容のうち、特に、プログラミング言語 Python および入門のためのプログラミング言語環境を取り上げる。また、小型コンピュータmicro:bitの活用方法を考察する。micro:bitの購入は必須ではない。

0930-1130 micro:bit:柏木 隆良先生(神奈川工科大学)
1130-1230 PyPEN:中西 渉先生(名古屋高等学校)
1330-1430 Google Colaboratory:神藤 健朗先生(世田谷学園中学校・高等学校)
1430-1530 Python:兼宗 進先生(大阪電気通信大学)



第01回「情報交換会」昭和高校


  • 日時:2021年7月5日(月) 15:00~16:00
  • テーマ:どこまで教える?情報リテラシー
  • コーディネーター:東京都立昭和高等学校 今井大介
  • 内容:情報Ⅰで、タイピングやOfiiceソフトの操作などをどこまで教えるか情報交換を行います。そのほかのテーマも扱います。
【交換会概要】
今回は、前半に現状と各校の情報交換を行いました。後半に「情報Ⅰ_情報リテラシーをどこまで教えるか。」について情報交換をいたしました。
その中で、多くの方が、情報リテラシーの分野については、時間をとるのが難しい。
出てきたキーワードを抜粋すると
・キーボードの基本操作は、動画配信による授業外で学習。
タイピングは日常的な練習が必要という意見もあり。
・Word・PowerPointは操作説明を別途作らずに、課題・実習に絡めて行う。
・Excelはプログラミングを見据えて、説明が必要。
・自学自習できる教材があるとよい。
今回のテーマ以外も、「情報Ⅰ」教科書の選び方や、SNS教育などについても活発な情報交換を行いました。


2021年度 都高情研 総会後の研究協議会(第1回研究協議会)

2021年度 都高情研 総会後の研究協議会2021.6.19

 

コロナ感染対策のため、
ONLINEで行いました

1.開会挨拶

都立田園調布高等学校長 福原利信

 

最初に本研究会会長の福原より挨拶がありました。

来年度からスタートする情報Ⅰ、共通テストに向けて、都高情研から、多くの情報発信をしていく必要があると述べました。

都立高校における情報科の教員研修や、科学の甲子園の運営などに携わっているため、どうしても都立高校での事例が多くなってしまっている現状について述べ、今後は都高情研が、都立高校だけでなく、広く情報発信をしていくと、本研究会の役割を明確にしていまいた。



2.講演

「新学習指導要領情報Ⅰの実施に向けて」国立教育政策研究所教育課程研究センター研究開発部教育課程調査官

田﨑丈晴

 

学習指導要領改訂においてSociety5.0を見据えた、資質能力の育成および課題解決能力の育成について述べ、今後求められる人材の育成が大切であると、お話がありました。

「何ができるようになるか、何を学ぶか、どのように学ぶか」の3つの柱の必要性をお話しして頂きました。

 

準備と実施のタイムテーブルについては、情報Ⅰは来年度、情報Ⅱは再来年度開始になると述べ、

いくつかの授業事例を紹介して頂きました。

(データ加工・分析、デザイン、アプリ作成、プログラミング、無線LANの構築等)

さらに、実施されている研修の参加を通して、授業への準備を行う必要性について述べておられました。

その後、GIGAスクール構想について、「1人1台端末」の実現へむけて、環境整備が始まっていることについて確認され、今後の展望も述べられていました。

 

3.質疑応答

 

4.閉会挨拶

都立東大和高等学校副校長 飯田秀延